プロとして仕事に取り組もう

介護の仕事は目の前の利用者に対して、常に声をかけ、残存機能を活用しながら、家族支援や地域づくりなどの関係構築を行い、様々な自立支援を通じて、尊厳の保持を図っていくことです。

目の前の利用者の状態は、常に変化し続け、朝と夕では状態が異なったり、日によって異なるということもあります。介護では、その専門性を発揮するために介護過程という考え方が重視されています。

これは、アセスメント、計画の立案、そして実施、評価というプロセスのことで、この考え方があるかないかで大きく介護の質が変わってくるものです。

日常的な支援に則して、このプロセスを考えると、観察と声掛け、そして考え、介助して、また声掛け、観察するというサイクルになります。さりげなくやることなので、周囲にこの専門性は見えませんが、介護職員というのは、観察に始まり、観察に終わる、常に考えるという意味では、知的労働でもあります。

さらに、介護過程は、仮説と検証の繰り返しです。支援の方向性が固まったとしても、それで終わりではなく、これでいいのか、よかったのかと自問自答をし続けることが大事です。

このとき、答えは利用者本人の中にあるので、利用者の意向や思いを何よりも確認することが重要です。しかし、介護には、これが正解というものがないので、検証することが難しく、その答えがでないことに耐えられなくなると、ついつい、結果ばかりを求めがちになります。

目標を目指しつつも、常にこれでいいのかという疑問を捨てることはできません。だからといって、疑問を持ち続けなければ質の向上につながらないため、プロの介護職員にとっては、疑問を持つことこそが必要な姿勢になります。